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別荘を購入すると節税対策に使えるのか?

リゾートや会社の福利厚生などの目的で所有するのが別荘です。別荘を所有した場合、さまざまな税金がかかってきます。
その一方で、一部の不動産投資関連のサイトなどでは「別荘は節税対策になる」ともいわれています。それは本当のことなのでしょうか?

この記事では、別荘の節税対策について、その実情や仕組みなどを解説します。

別荘を所有すると発生する税金

前述したように、別荘を所有するとさまざまな税金が発生します。
税金が発生するタイミングですが、「購入時に発生する税金」「購入後に発生する税金」「売却時に発生する税金」の3つに分類されます。
それぞれの税金について見ていきましょう。

購入時に発生する税金

別荘の購入時に発生する税金は「不動産取得税」と「登録免許税」の2つです。

不動産取得税

不動産取得税とは、不動産を取得する場合に支払う税金のことです。不動産が所在する都道府県に税金を納め、建物と土地のそれぞれに不動産取得税が課されます。

不動産取得税の納付額は、固定資産税評価額(課税標準額)に税率を乗じて計算しますが、自分で計算をする必要はありません。別荘を購入すると、半年程度で金額が記載された納付書が届きます。銀行などの金融機関に納付書を持参し、不動産取得税を納めます。

登録免許税

登録免許税は、法務局などで登記を行う際に課される税金のことです。別荘を購入すると通常、所有権移転登記を行い、その際に登録免許税を支払います。登録免許税は固定資産税評価額をもとに計算されます。

通常、所有権移転登記は不動産業者や司法書士が行い、あらかじめ不動産業者や司法書士が立て替えて支払っているため、別荘の購入金額や司法書士の報酬などと一緒に、不動産業者や司法書士に支払います。

購入後に発生する税金

別荘の購入時に発生する税金は、「固定資産税」「都市計画税」と「住民税」の3つです。

固定資産税・都市計画税

固定資産税とは、市区町村が不動産に対して課税する税金のことです。
都市計画税とは、都市計画事業や土地区画整理事業のために徴収される税金のことです。
どちらも1月1日時点で不動産を所有している人が、毎年、不動産が所在する市区町村に税金を納めます。

固定資産税は課税標準額に1.4%(標準税率)、都市計画税は0.3%以下の税率をそれぞれ乗じて、税額を計算します。

固定資産税も、自分で納付額を計算する必要はありません。不動産が所在する市区町村から、納付額が記載された納付書が送られてくるので、それを使って納付します。固定資産税と都市計画税はひとつの納付書で、一緒に納めます。

住民税

住民税は大きく分けて、所得金額に応じて課される「所得割」と、その地域に住んでいることに課される「均等割」の2つがあります。

別荘は、その地域で過ごす際に水道などのライフラインの設備を使用します。そのため、たとえ別荘がある自治体に住民票が無くても、均等割が課税されます。ただし、所得割については課税されません。

売却時に発生する税金

別荘の売却時に発生する税金は、「所得税」と「住民税」の2つです。

所得税・住民税

別荘を売却して売却益が出たら、その売却益に税率を乗じて税金を計算します。購入金額よりも売却価格が低いなど、売却損が出た場合は課税されません。別荘を売却し、売却益が出た場合にかかる税金は、原則として所得税と住民税です。それに加えて、令和19年までは復興特別所得税もかかります。

税率は、売却する年の1月1日時点で所有期間が「5年以下」か「5年超」かによって異なります。
5年以下(短期譲渡所得)であれば所得税30%、住民税9%、復興特別所得税0.63%合計39.63%の税率になります。
5年超(長期譲渡所得)であれば所得税15%、住民税5%、復興特別所得税0.315%合計20.315%の税率になります。

たとえば、売却益が200万円あるケースで長期譲渡所得の場合は、「200万円×20.315%=406,300円」の税金を支払う必要があります。別荘を売却して利益が出た場合の税金は、納税額が高くなることが多いので、納税資金の確保をしておく必要があります。

所得税、復興特別所得税については、売却した翌年3月15日までに確定申告をし、税金を納めます。確定申告をすると、別途、各自治体から住民税の納付書が送付されてきます。

単に個人が「別荘」として購入したなら節税効果は見込めない

ここまで紹介したとおり、別荘を購入したり所有したりしていると、さまざまな税金がかかります。

では、別荘を所有することで、どのような節税効果があるのかを見ていきましょう。

結論から言うと、個人が「別荘」として購入したなら、節税効果は見込めません。それは、法人で購入する場合と違い、別荘にかかるさまざまな費用を経費計上できないからです。サラリーマンはもちろんのこと、個人事業主であっても、別荘が事業に関係しなければ、別荘にかかるさまざまな費用を経費計上できません。

また、住宅やセカンドハウスと違い「贅沢品」なので、税の軽減措置を受けられません。しかも、別荘は利用頻度が低いにも関わらず固定資産税や維持費などがかかってしまうため、節税目的とした場合、経済的なメリットはないといえます。

個人ではなく法人として購入すれば節税が可能


このように、個人で「別荘」を購入した場合、節税効果は見込めません。では、法人で別荘を購入した場合はどうでしょうか。

前述したように、法人で別荘を購入すればさまざまな費用を経費計上できるので、個人と違って節税することが可能です。
ここからは、法人で別荘を購入した場合の節税方法について見ていきましょう。

別荘を法人名義で購入する

たとえば、「従業員の保養所」という目的で購入する場合であれば、管理費や維持費等を福利厚生費として経費にすることが可能です。

ただし、実際に従業員の保養が行われていない場合は、税務調査で否認されてしまう場合もあります。経営者やその家族など一部の人のみが別荘を利用している場合は、従業員の保養目的とはいえません。この場合は、経営者の役員報酬扱いとなります。
役員報酬扱いになると、経営者に所得税などの税金がかかるとともに、法人税の計算時に別荘の費用が否認されます。

別荘を節税目的に購入する場合は、実際に従業員の保養などを行い、本業である事業と関連付ける必要があります。

おすすめは事業目的の「貸別荘」

法人が事業目的として使っている別荘であれば、保養所と同じように管理費や維持費等を経費にすることができます。

そこで、別荘を貸別荘として利用します。貸別荘であれば、事業目的として使っていることが明らかです。目的が不動産投資なので、管理費や維持費等を経費に計上しても問題はありません。

また、従業員の保養目的の別荘ではなく、賃貸物件としての別荘なので、ある程度の収入も得ることが可能です。

ただし、別荘を貸別荘として利用する場合には、注意点もあります。それは、マンションやテナントなどの一般的な不動産投資より、経営の難易度が高いということです。

マンションやテナントであれば、住居や事務所として一定程度の顧客を見込むことができます。また、一度入居すると長期間入居することが多いので、継続して安定した収入を見込むことができるでしょう。
しかし、別荘の場合はリゾート地などにあり、利用客やシーズンが限定的になることも多いため、安定した収入を見込めないこともあります。

利用客が多い時期は貸別荘として使い、それ以外は従業員の保養目的で使うなど、物件や自社の状況に合わせた運用をした方が良いでしょう。

まとめ

別荘はリゾート目的や福利厚生目的などで所有することが一般的です。しかしれっきとした不動産なので、維持費や管理費に加えて固定資産税などの税金を支払う必要があります。

しかし法人で所有すれば、維持費や管理費を経費にできるので、うまく利用すれば高い節税効果を期待することができるでしょう。

別荘を使った節税対策を検討中の方は、まずは法人所有ついて専門家と相談することからはじめてみてください。