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ゆとりある老後に必要なお金は約1億円!理想の貯金額と資金準備の方法

2019年に金融庁が発表した資料によって、老後資金が2,000万円不足するという「老後資金2,000万円問題」が明らかになりました。のちにこの資料は事実上の撤回をされることになるものの、「年金だけでは暮らしていけない」と、世間を大きく騒がせることとなりました。

「年金はあてにならないかもしれない」という実感がある30代~40代がゆとりある老後を迎えるためには、できるだけ若いうちから対策を立てておく必要があります。

そこで今回は、「老後の生活に必要な貯金額」と「貯金に役立つ制度」について解説します。

ゆとりある老後に必要な生活費は約1億円!

公益財団法人生命保険文化センターが発表した意識調査によれば、夫婦2人が老後に生活していくにあたって必要な生活費の月額は以下のとおりです。

・老後の最低日常生活費は月額で平均22.1万円

・ゆとりある老後生活費は平均36.1万円

出典:(公財)生命保険文化センター「生活保障に関する調査/令和元年度」より

このように、老後の最低日常生活費は月額平均22.1万円です。ゆとりある老後生活を送る場合は、それに14万円をプラスした36.1万円が月々に必要な金額です。

また、平成30年時点の平均寿命は男性が81.25歳、女性が87.32歳です。

65歳で退職した後、同い年の夫婦二人が88歳まで生きると仮定して、ゆとりある生活に必要な金額の合計は以下の式で算出されます。

36.1万円×12ヶ月×24年=1億397万円

老後の生活費だけで、約1億円のお金が必要ということが分かります。

年金と退職金収入では「ゆとりある生活」に2,000万円足りない

一般的に、老後の生活費にあてられる収入には「年金」と「退職金」があります。

厚生労働省の「平成30年度 厚生年金保険・国民年金保険の概況」によれば、男性の厚生年金と国民年金の平均受取額は月17万2,000円、女性を専業主婦と仮定した場合は国民年金の受給平均は5万3,000円です。

これを合計した夫婦2人の年金収入は22万5,000円なので、65歳から平均寿命である88歳までの収入は以下のとおりです。

22.5万円×12ヶ月×24年=6,480万円

出典:「平成30年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」(厚生労働省)

もうひとつの収入の柱は、勤め上げた会社から支給される退職金です。厚生労働省の「就労条件総合調査」によれば、2018年度の大卒・院卒の退職金の平均は1,983万円でした。

ゆとりある生活に必要な生活費から、将来的に得られる収入を合算して引いた場合、計算式は以下のとおりです。

10,397万円‐(6,480万円+1,983万円)=1,934万円

このように、老後に得られる収入だけでゆとりある生活を送るには、おおよそ2,000万円が不足すると考えたほうが良さそうです。

出典:「平成30年就労条件総合調査 結果の概況」(厚生労働省)

ゆとりある生活を送るには、いかに若いうちから効率的にお金を貯めるかが非常に重要だといえるでしょう。

いくらあれば安心?年代別平均貯金額から貯金額を考える

では、2,000万円の不足をどのようにして貯めるか、逆算して考えていきましょう。

年代別平均貯金額

厚生労働省が発表している「国民生活基礎調査」によれば、年齢階級別の1世帯当たりの平均貯蓄額は以下のとおりです。

世帯主の年齢階級

1世帯当たり平均貯蓄額

29歳以下

154.8万円

30~39歳

403.6万円

40~49歳

652.0万円

50~59歳

1,049.6万円

60~69歳

1,337.6万円

70歳以上

1,260.1万円

「平成 28 年 国民生活基礎調査の概況」(厚生労働省)をもとに作成

40代の世帯では平均でおよそ650万円の貯蓄があるとされていますが、ゆとりある生活のためには65歳で退職するまでの約25年の間に、残り1,350万円を貯金しておく必要があるということです。

1,350万円÷25年÷12ヶ月=4万5,000円

平均的な貯蓄ができている40代の夫婦ですら、「老後資金だけで」毎月4万5,000円の貯金が必要なのです。

貯金額を決めるときの注意点

ここまでに示した数字は、あくまでも「老後のゆとりある生活費」のための金額です。実際に老後資金を貯める際には、生活費以外の費用も考えておくことが必要です。 老後に必要なお金を試算するにあたっては、以下の3つに注意しておきましょう。

・子供の教育資金

  

・病気やケガによる入院、通院の費用

 

・持ち家のリフォーム費用

 

これら3つの要素をふまえると、人によっては老後の生活資金に加えて1,500万円ほどをプラスで考えておく必要があります。 その理由を見ていきましょう。

子供の教育費用はすべて私立だと2,000万円を超える

住宅ローンや結婚費用と並んで人生の三大出費と呼ばれる「子供の教育費用」は、老後の資産形成を考える上では無視できない要素です。

晩婚化が進んだ現在では、40代で子供を授かることも珍しくありません。親が60歳を過ぎてから子供が大学に進学するとなると、老後資金の一部を切り崩す必要があります。

文部科学省の「教育費負担」資料によれば、高校まで公立、大学で国立を選んだとして770万円がかかります。大学まですべて私立を選択した場合は2,300万円が必要です。

出典:「教育投資参考資料集」(文部科学省)

入院費は1回の入院で70万円程度を想定しておく

また、高齢になるにつれて病気やケガのリスクが増えることも考えなければなりません。

「令和元年度 生活保障に関する調査」によると、入院時の自己負担の平均額は20.8万円でした。1日あたりの自己負担額の平均は2万3,300円のため、入院が1ヶ月を超えると自己負担額は60万円前後になる計算です。

厚生労働省発表の「患者調査」では75歳以上の平均在院日数は43.6日とされていることから、もしものときに備え、1~2ヶ月の入院を想定して100万円程度は用意しておきましょう。

リフォームには300万円弱かかる

3つ目の注意点は「持ち家のリフォーム」です。 長年住んでいると、家はメンテナンスが必要になります。戸建てにしてもマンションにしてもリフォームには300万円前後の費用がかかるため、中古住宅に住む人はリフォーム費用も別途で用意する必要があるでしょう。

貯金以外でも老後資金を準備する4つの方法

ゆとりある老後の生活費に加えて、子供の教育費用やリフォーム代金まで含めた金額を用意するとなると、合計で3,500万円の貯金が必要です。

この金額を利子がほとんど付かない普通預金で貯めようとすれば、毎月9万7,200円以上を30年間貯金しなければいけません。

一方、元本を100万円用意した上で年利5%の投資商品を運用すれば、試算上は毎月4万0,000円の積み立てで3,500万円を超えます。必要な金額から逆算して、投資信託などの投資商品を組み入れていくことが必要です。

今回は貯金以外で有効な制度として、以下の4つを紹介します。 ・財形年金貯蓄 ・企業年金 ・iDeCo ・つみたてNISA

1.財形年金貯蓄

会社員の資産形成のために給与からの天引きで貯蓄を行う仕組みが財形年金貯蓄で、対象者は55歳未満です。

お金を貯める目的に応じて「財形一般貯蓄」「財形住宅貯蓄」「財形年金貯蓄」の3つに分類されており、老後資金として活用するには財形貯蓄年金です。

一般の貯金と違い、財形住宅貯蓄とあわせて550万円まで非課税で運用できるのがメリットです。5年以上の積立期間を経て、満60歳から5年以上20年以内で年金を受け取れます。

ただし、年金以外の払い出しを行うと非課税措置が外され、利子に対しても課税される点に注意が必要です。とはいえ、給与から天引きされるためムダ使いせずに貯められます。貯金が苦手な人にはとくにおすすめと言えるでしょう。

2.企業年金

企業が独自に導入している年金制度のことを総称して「企業年金」と呼びます。給与の一部を積み立て、将来に年金として受けとることができます。

従来は、将来の給付額が決まっている「確定給付型年金」を採用する企業が多くありましたが、運用を失敗したときに会社の拠出が必要になる点から、現在では採用している企業は減少傾向にあります。

現在ではリスクとリターンを加入する社員自身が負う「確定拠出型年金」を採用する企業が増加しています。

3.iDeCo(個人型確定拠出年金)

掛け金を60歳になるまで運用し、60歳以降の年金に上乗せする制度です。

iDeCoの口座内で自分が選んだ投資信託などの投資商品を毎月積み立て購入し、運用益によって受け取れる金額が変わります。

普通に投資信託を買うのに比べ、iDeCoには以下のメリットがあるのが特徴です。

・運用期間中は運用益が非課税

・掛け金が全額所得控除

・受け取り時に退職所得控除でお得に受け取れる

通常の投資は分配金・換金時の収益に対して20.315%が課税されますが、iDeCoでは非課税です。

掛金が全額所得控除になる点もメリットです。最低額の掛け金である年間6万0,000円をかけた場合でも、年収300万円(税率20%)の人なら1万2,000円が節税できます。

投資信託の運用に不安がある人は、定期預金や保険を選んで運用することも可能です。

ただし、あくまで年金の上乗せ制度のため途中解約はできず、60歳以降にしかお金を受け取れない点には注意が必要です。

4.つみたてNISA

非課税制度である「NISA」のうち、毎月一定額を積み立てる形で投資信託を購入する制度です。投資できる金額は年間40万円までと決められていますが、最長で20年間は運用益が非課税になります。

選べる銘柄は「信託報酬が低い」「購入時手数料がかからない」などの基準を満たした、金融庁が認めた商品のため、初めて投資にチャレンジする人でも安心でしょう。

iDeCoと違って掛け金の減額や売却が簡単にできるため、急にお金が必要になった際にも取り崩して使うことができます。

まとめ

今回は老後までに必要な資金額と、お金を効率的に貯めるために利用できる制度などを紹介しました。普通預金だけでは老後の生活費用のために毎月5万0,000円~10万0,000円近い貯金が必要です。老後に必要な金額を逆算し、効率的にお金を貯めるようにしていきましょう。