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大阪市都心部の2019年分譲マンションマーケットの振り返り

オリンピックイヤーを前に、マーケットの活性化が期待された分譲マンションマーケットですが、供給戸数は、首都圏、近畿圏ともに前年実績を下回る水準となりました。近畿圏の分譲マンションを近年牽引してきた北区、中央区、西区、天王寺区、福島区の5区で構成する大阪市都心部の供給戸数も、2019年は対前年比-14.3%の4484戸に減少し、6000戸を超える供給が見られた2017年をピークに2年連続で供給減となりました。しかしながら、投資用ワンルーム分譲マンションを除いた2019年の供給戸数は3207戸と、前年実績(同2720戸)を上回り、超高層マンションを中心に、活発な供給が見られました。また、2019年は、従来の大阪市都心部のマーケットでは供給が少なかった、平均面積30~50㎡台の単身女性をメインターゲットにした実需向けのコンパクト分譲マンションの供給が増加し、注目を集めました。

地域別の供給戸数を見ると、供給戸数の多い順から、中央区1471戸、北区1070戸、西区920戸、天王寺区840戸、福島区183戸となり、超高層マンションの供給が継続する中央区、北区で1000戸を超える高水準の供給が見られました。

大阪市都心部の初月契約率を見ると、2019年は76.5%と、前年実績(同83.6%)を下回りましたが、70%を超える好調な水準となりました。なかでも、好調な株価を背景に、富裕層や投資家から底堅い需要を集める超高層マンションは、投資用ワンルーム分譲マンション、実需向けコンパクト分譲マンションなどが好調な売れ行きを見せ、マーケットを牽引しました。その一方で、天王寺区を中心に供給が多かった、一般のサラリーマン世帯の所得では手が届きづらい価格帯となっている実需のファミリー世帯に向けた物件の苦戦が目立っており、富裕層や投資家に向けた物件と、実需層に向けた物件とで、売れ行きにおいて好・不調の二極化傾向が見られます。

また、2019年の大阪市都心部の平均坪単価は、対前年比+5.7%の@298.6万円に上昇し、投資用ワンルーム分譲マンションを除外すると@304.3万円と、@300万円台の大台を突破しました。しかしながら、2017年から2018年の上昇率(同+9.9%)より、上昇幅は縮小しており、やや価格上昇に天井感がうかがえます。

地域別の平均坪単価を見ると、高い順から、北区@327.8万円、中央区@310.0万円、天王寺区@277.6万円、福島区@253.2万円、西区@237.4万円となり、北区、中央区で@300万円を上回りました。対前年比で上昇率が最も高い区は、天王寺区(対前年比+10.5%)で、次いで北区(+8.3%)、福島区(+4.0%)の順に上昇率が高くなっています。一方、中央区(同-0.6%)、西区(同-8.8%)は、対前年比で低下するなど、地域による価格上昇の格差が生じています。天王寺区の上昇率が高いのは、前年に比べ、上町台地の邸宅街での供給寡占が見られた事が要因と考えられます。また、北区、福島区においては、「うめきた2期」の開発計画などで、マーケットポテンシャルが更に向上している事がうかがえます。

2019年は、10月の消費増税の影響もほとんど見られず、前年に続き、概ね順調なマーケットが展開されました。しかしながら、価格上昇が継続する中、売れ行きや価格上昇率に格差が生じています。2020年は、新型コロナウイルスの感染拡大で、分譲マンションマーケットへの影響が懸念されます。大阪市都心部においても、供給戸数の減少や、契約率の低下に伴う完成在庫の増加などが懸念される状況にあって、マーケットの二極化傾向は更に進展する可能性が高い情勢です。