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福島区の新たなグルメ通り「ふくまる通り 57」とは


福島区はかつては工場地帯でした。その中心になるJR福島駅周辺には工場で働く人たちのための気楽な飲み屋が集まりました。しかし、今はすっかりビジネス街・住宅街に変貌(へんぼう)しています。2019年5月にも、以前からの高架下の飲食店の真ん前に新しい複合ビルができました。このビルの1階におしゃれなスペインバルが入ったこともあって、高架下の飲食店まで合わせて「ふくまる通り 57」と呼ばれるようになりました。新しく生まれ変わったグルメスポットとして注目されています。

右側の高架下のお店だけでは「通り」としての雰囲気ができなかった。駐車場だった左側にスペインバル横丁「merca PASEO(メルカ パセオ)」ができたことで、全部含めて「ふくまる通り 57」と名付けられた。

様変わりする福島駅かいわい

JR福島駅周辺はかつてはかなり庶民的な街でした。それを象徴するのが高架下の飲み屋街でしょう。大きな変貌(へんぼう)を見せつつも、今でもそういった雰囲気も残っています。

福島駅近くの変遷

JR環状線では大阪駅のすぐ西隣が福島駅です。この直近では環状線に並行して阪神本線が走っていて、阪神電鉄の新福島駅もあります。これらふたつは明治時代からの歴史のある駅で、もとは隣接していました。しかし、1993(平成5)年に阪神本線が地下化されてやや南を通るようになったときに駅も移転しました。今では150メートルほど離れています。
また、新福島駅は1997年のJR福島駅東西線の開業と同時にできた比較的新しい駅です。JR東西線がこの部分では地下を通っているために地下駅で、阪神本線の駅とは隣接しています。

キタに隣接するのが福島駅かいわい

大阪の繁華街といえばまず名前の挙がるのが、「キタ」と「ミナミ」です。このどちらもが比較的広い範囲を含んでいて、細かく見るといくつものショッピングエリアや飲み屋街を含んでいます。長らく「キタは高級志向、ミナミは庶民的」といわれてきましたが、近年ではミナミも再開発が進んだことにより、そうとも言い切れなくなってきています。
キタにすぐ隣接するエリアにあり、やはりにぎわいを見せながらも全く違った雰囲気を持っているのが福島駅かいわいです。ここの繁華街といえば、「仕事帰りのサラリーマンが一杯引っ掛けて帰る」というのが昔からののイメージでしょう。サラリーマンに限らず学生のコンパやなどにも向いたお店もあり、いずれも気取らずに入れるお店ばかりです。

JR福島駅付近には「ふくまる通り 57」だけではなく、いくつもの飲み屋街がある。写真は駅の南側にある「浄正新道」。

高架下の飲み屋街

JR福島駅の直近にはいくつもの飲み屋の密集地があります。「横丁」や「路地」といった雰囲気の通りものばかりですが、特にこのエリアならではのものが福島駅の両側ともに延びる高架下の飲み屋街でしょう。大阪駅寄りのものは「OK1番街」、反対側で隣接しているものは「OK2番街」の名前がついて、どちらも中央に通路があってその左右にお店が並んでいます。天井から線路面まではいくらも離れていないために、JR環状線の電車のガタゴトという音が聞こえます。「ガード下の飲み屋街」というだけでも昔懐かしい響きなのに、その音でいっそうレトロ感をひき立てられる人も多いのではないでしょうか。

古くて新しいグルメスポット「ふくまる通り 57」

OK2番街のさらに先にも、居酒屋や焼き鳥屋、焼き肉屋などが15店ほど並んでいます。OK1番街・OK2番街同様に高架下のお店ですが、違いはいずれも南の道路側を向いていることです。もちろん、出入りも道路から直接です。これらはだれもが呼ぶような名前は特には付けられていませんでした。生まれ変わって、「ふくまる通り 57」となったのはこの部分です。

元からある高架下のお店は全部で15ほど。

線路沿いのエリアを再開発

この高架下の飲み屋街と道路を挟んだ向こうには、かつては地下化する前の阪神本線が走っていました。その後は、極端に細長い駐車場が隣接してふたつでき、所有者はそれぞれJR西日本と阪神電鉄でした。
あまりに細長すぎて、それぞれ単独では再開発が困難でした。それが、ふたつの鉄道会社が協力して新しいビルを作ることになりました。ふたつ合わせたところで敷地はやはり細長く、できあがったビルも全体の床も幅が10メートルほどしかないのに対し、長さは約100メートルになりました。しかも、緩くカーブしています。これはほぼかつての線路のカーブそのままです。

「ふくまる通り 57」

この新しいビルの1階部分で、JR環状線と高架下の飲み屋街に面した部分には、スペインバル横丁「merca PASEO(メルカ パセオ)」が作られました。
一見いくつもの店が入っているように見えるのは、このmerca PASEO(メルカ パセオ)が5つのエリアを横並びにしているせいです。そのエリアはそれぞれ、「パエリア」「ピッツァ」「ハム&チーズ」「タパス&ピンチョス」「ローストミート」となっています。
また、お店の前には「テントエリア」として大きな傘とイス・テーブルが用意されました。お店で買ったメニューは店内で食べてもOK、どのイス・テーブで食べてもOKです。
かつては殺風景な道路・駐車場にむき出しになっていた高架下の飲食店の眺めも雰囲気が変わりました。通りの左右ともが飲食店になったことで密度が上がり、横丁といっていいような形になりました。しかも、通りの北側は居酒屋や焼き肉屋などの庶民的なお店が多く、向かい側はおしゃれなスペインバルです。食べ物の種類も一気にバラエティーに富んだものになりました。
そこで、このビルのオープンと同時に付けられた名前が、「ふくまる通り 57」です。新しいグルメスポットの登場です。

ひとつのお店ながら5つのエリアを持ち、スペイン料理を網羅する「merca PASEO(メルカ パセオ)」。

ビルにはホテルとスーパーマーケットも入居

新しくできたビルには、スーパーマーケットの「阪急オアシス 福島ふくまる通り57店」も入りました。店舗面積は約1,000平方メートルとやや小さく、駐車場がない代わりに約100台分の駐輪場があります。ご近所の住人を対象にした身近な食料品スーパーと考えていいでしょう。

主に地元の人の日常的な買い物を意識して作られたスーパーマーケット「阪急オアシス 福島ふくまる通り57店」

また、先程のmerca PASEO(メルカ パセオ)も同じく、阪急オアシスの運営です。「スーパーマーケットで買ったものと、merca PASEO(メルカ パセオ)で買ったものの両方をテントエリアに持ち込んで、気楽にランチや外飲み」といった使い方もできます。
ビルの東半分は「ホテル阪神アネックス大阪」です。すぐ近くにある「ホテル阪神大阪」が本館、こちらが別館という扱いです。客室単価は2,000〜3,000円安く設定されているので、より気楽に使えるでしょう。
新しいビルの東半分は「ホテル阪神アネックス大阪」。1993(平成5)年まではここに阪神本線の線路が通っていた。

福島区の住宅事情

大阪駅は北区にあり、よく知られているように繁華街であると同時にビジネス街です。それが1駅隣になるだけで福島区と変わり、かつては工場地帯でした。ところが今は、住宅街・オフィス街へと様変わりしました。

かつては工場の街

福島区内にかつてあった主な工場にはパナソニック(旧・松下電器産業)、ユニチカ(旧・大日本紡績)、三菱製紙、住友伸銅所などがあります。JR福島駅周辺に庶民的な飲み屋が多いのはこれらの工場があった名残と考えていいでしょう。
これらの工場は移転したり、閉鎖したりで、広大な空き地ができました。あとにできたのが住宅地やオフィス街です。ここの特徴はタワーマンションなど大きなビルが多いことでしょう。かつての工場には大規模なものが多かったので、それだけ敷地も広く取れるのが影響しているようです。

今は住む場所として注目の福島駅周辺

鉄道網が大阪でもどんどん発展していますが、JR大阪環状線は今でもやはり市内移動の中心です。地下鉄の駅もあるので、大阪市内とその周辺のほとんどのところに、福島駅近くからはそのままか乗り換え1回で到着できるでしょう。また、阪神電車を使えば神戸方面へもすぐ出られます。となりの大阪駅で乗り換えれば、京都への新快速に乗ることができます。

工場地帯だったときは、福島駅かいわいは周辺から通ってくるところでした。しかし、今はここから通うことも考えられるようになりました。また、ここほど便利なところもそうはないでしょう。

新しい複合ビルに地元の人向けのスーパーマーケットが入り、飲み屋街も「ふくまる通り 57」のように「昼飲み」にも向いているのが登場したのもそういった変化の現れでしょう。