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供給が増加する大阪市都心部のコンパクトマンション市場

大阪市都心部で急増する投資用分譲ワンルームマンション需要

近年、北区・中央区・西区・天王寺区・浪速区・福島区で構成する大阪市都心部では、投資用分譲ワンルームマンションの供給が増加傾向にあります。投資用分譲ワンルームマンションの供給戸数は、リーマンショックがあった翌年の2009年には159戸に大幅減となりましたが、2010年以降は株価上昇に伴う景況感の改善と共に増加の一途にあり、2017年には2694戸、2018年には3096戸と高水準の供給が継続しました。
供給の中心エリアは、西区・中央区・浪速区の3区で、西区では2017年、2018年の供給戸数を合わせて1600戸を超える高水準の供給が継続しています。その一方で、2017年以前は供給が少なかった福島区の供給が2017年以降増加傾向にあるなど、供給エリアの拡大も見られます。

坪単価の推移で見る「大阪都心部のワンルームマンション事情」

地価の上昇に伴い、大阪市都心部の投資用分譲ワンルームの平均坪単価は2015年以降上昇が継続しており、2018年は対前年比@3.4%アップの@263.9万円/坪、平均価格も同6.8%アップの1,944万円に上昇しています。投資利回りなどの観点からみれば、投資用分譲ワンルームマンションの事業環境は厳しくなっていると思われ、今後はやや供給熱が低下する可能性も考えられます。事実、2019年1~8月の供給戸数は、対前年同期比41.0%減の945戸と、依然高水準の供給が見られるものの、供給ペースは鈍化傾向にあります。投資用分譲ワンルームにおいては、今後は地価の高い都心部から、都心外周部への事業エリアの拡大が推進する可能性が高い状況です。
また、大阪市都心部では、地上20階建以上の超高層マンションを除くと、平均専有面積60㎡以上のファミリー向けの分譲マンションの供給が大幅に減少している一方で、平均専有面積30~60㎡未満、1LDKタイプ主体の単身者をターゲットにしたコンパクト分譲マンションの供給が増加傾向にあります。ファミリー向け分譲マンション開発が事業主体となるデベロッパーによる事業参入が活性化しており、2018年は対前年比56.4%増の455戸と高水準の供給が見られました。

どんな層がコンパクト分譲マンションを買っている?

コンパクト分譲マンションの主な購入者は、分譲マンションの資産性を重視する持家志向の30~40代の大阪市都心部に勤務する単身女性です。単身女性のライフスタイルを意識した間取りの工夫や収納スペースの確保といった商品企画や、単身女性の目を引きやすい広告戦略を採用する物件が供給の中心になっています。
2019年に入り、やや供給の鈍化が見られる投資用分譲ワンルームに対し、単身者向けのコンパクト分譲マンションは、2019年も増加傾向にあり、2019年1~8月の供給戸数は前年の供給実績を上回るペースで供給が見られます。女性を中心とした単身者向けのコンパクト分譲マンションは、今後も供給は増加傾向で推移する見通しで、大阪市都心部において、ますます市場シェアが拡大する可能性が高い情勢にあります。

※データ出典:有限会社エム・アール・シー

著者情報

株式会社工業市場研究所 大阪事業所 所長 久田亮介